散華

「一番機、応答しなさい。一番機!」


善行の声が指揮車内に、そして一番機コクピットに響く…。
今まで祈っていたののみが泣き出した…。
なぁ、壬生屋…お前はどんな気持ちでこの瞬間を迎えたんだ?

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玉名での戦い。5121小隊は誰もが大勝を確信していた…。あの瞬間、そう…

敵の増援が現れるまでは…。


幻獣をあらかた片付け掃討戦に移行しようとしていた時、南北を寸断する形で幻獣の増援が現れ、
一番機は孤立した。

何とか脱出しようと一番機は大太刀を振るい、二番機、三番機も援護射撃をする、が結果空しく一番機はミノタウロスのパンチをまともに喰らい、地面に跪く。後は敵の攻撃豪華フルコース…って訳だ。

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「誰か…誰か一番機を…。
 速水君!芝村さん!滝川君!若宮君!来須君!…誰か……。
 誰か助けたってよぉ………。」


加藤の泣き叫ぶ声が指揮車内に響く…。
だが、彼女も解っている筈だ…、ののみが泣き叫び、石津が悲しみに満ちた表情をしている訳を…。

皮肉なもんだ、あんなにいがみ合っていた仲なのに…、顔を合わせれば喧嘩ばかりしていたのに…。
お前が俺の長年捜し求めていた人だったなんて…。
身体を失い、魂だけの存在になって初めて気付くなんて…。いや、だから気付いたのかもな…。

「一番機パイロット、瀬戸口隆之十翼長…戦死…。」


善行の落ち着いた、しかし悲しみと悔しさに満ちた声がパイロットの、スカウトの、整備員の通信機に響く。

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なぁ、壬生屋…お前はどんな気持ちでこの瞬間を迎えたんだ?
俺は…、やっとお前さんの所に行ける…って気持ちだな…。
そんな所で泣いてないで、俺を迎えてくれよ…。
壬生屋……いや、シオネ・アラダ…。


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